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星陵日記

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舌で健康チェック

最近、メディアなどで口腔と全身には深い関わり合いがあることが度々紹介されています。皆さんも目にしたことがあるのではないでしょうか。

『舌に異常があると、糖尿病や心筋梗塞・動脈硬化のリスクが上がる!?』
『舌をみれば健康状態は把握できる!!』

果たしてこのようなメディアコピーは真実なのでしょうか?
今回はその真偽と理由についてご紹介したいと思います。

「舌の役割って?」

①味わう
舌は味を感じる重要な器官です、苦味、酸味、塩味、甘味、旨味など様々な味を感じることのできる繊細さを持っています。
いつもと同じ食事の味が何かおかしい?と感じるようであれば、体の変化のサインです。

②食べる
舌は食べ物を頬と挟み込み歯の上にのせることで効率的に噛むという事を皆さんは無意識にやっています、
これは舌が自由自在に形を変えることができるからです。
ご飯を食べるときに舌を噛んでしまう事が頻繁に起きる方は舌の動きが鈍っているのかもしれません。

舌の先の感覚は口の中で一番感覚が鋭い場所と言われています。
例えば髪の毛一本でも口の中に入っていると気づきますよね?
腕に髪の毛が乗っかっていても気づく方はそんなにいないでしょう。

③歯並びを整える
歯は常に動いています。
このため力が加わると移動してしまいます。
矯正治療は正にこの歯の特性を利用したものです。
筋肉の塊である舌は頬の筋肉と歯を挟み込むことで歯を正常な位置に誘導し保持する働きをしています。
歯を正常な位置に維持するため舌と頬の筋肉により歯を誘導しています。

「味の感じ方が変わると要注意!!」

米国の研究結果(97年 米国医師会雑誌JAMA掲載)で高齢者の塩味を感知する能力は、健康な若い人に比べて約12分の1、つまり約12倍の塩を使わないと若い頃と同じ味に感じられないと述べられています。

こうした違いが生じるのは加齢とともに「味覚障害」を発症する人が増えているからだと考えられています。
味覚障害とは、名前の通り 味が感じられなくなっていく症状がみられる疾患です。
〝味〟は食べ物と接触する舌にある味蕾が受けた刺激が信号として脳に伝達されて感じるものです。

この信号伝達に何らかの乱れが生じると、味の感じ方がおかしくなります。
この乱れは、ストレスや体調不良、高齢者が飲んでいることの多い降圧剤や糖尿病治療薬によって引き起こされる事もあります。
味覚障害を放置して、濃い味付けの食事ばかりを摂っていると塩分の過剰摂取となり、高血圧や動脈硬化のリスクが生じるのです。

「味覚障害を予防するには?」

①亜鉛摂取
亜鉛には味蕾の再生に不可欠な栄養素です。
牡蠣をはじめとする魚介類、牛肉やレバーや卵黄に多く含まれています。

②唾液腺マッサージ
唾液がよく出るように両頬の上の奥歯あたり(耳下腺)や
下顎の骨の内側の柔らかい部分(顎下腺)
を5〜10階指で優しくマッサージして唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促しましょう。

「舌が衰えると肺炎に!?」

高齢になり舌や喉の筋肉が衰えるにつれて食べる機能(摂食嚥下機能)も低下すると考えられています。
機能の低下は、低栄養や誤嚥性肺炎の引き金になります。
食事のときによくむせる、1回で飲み込めない、薬がつかえる
といった症状の改善、予防のためにも日頃から口まわりの筋肉を鍛えることをお勧めします。

「舌で健康状態を把握するには何を見ればいいのでしょう?」

舌のチェックは主に
①色
②舌苔
③形・大きさ
の3点です。

【・舌の先が赤い】
風邪の初期や気管支の炎症が考えられます。

①色

舌は健康状態により非常に多くの色を呈します。

赤い…熱、脱水、うっ血

薄い…貧血、冷え

紫…循環障害、呼吸障害

②舌苔

舌の上にコケのように乗っている汚れです。舌苔の量から健康状態を知ることができます。

多い・無い…上部消化管の異常が考えられます。

黄色…熱がある、脱水している

白い…水分多量 冷え

③形・大きさ
舌は自由自在に伸縮でき、大きさや形で健康状態を図ることは困難かもしれません。
しかし循環や臓器の障害により異常が出てくることがあります。

【・溝がある、舌の表面に溝や亀裂が入っている】
栄養不良や貧血が疑われます。

【・舌がやせて薄い。】
脱水症状が続くと舌の血管に流れる血液が減少し舌がやせて薄くなることがあります。

【・舌が太く厚い】
肥満傾向がある、胃腸や腎臓が弱り、浮腫がおきている可能性が考えられます。

【・斑点】
冷え性、末梢血行不良が考えられます。

このように舌からは様々なことが分かり、全身と深く関わっています。
季節の変わり目のため体調も崩しやすいかと思います。
体調の管理と健康のチェックに舌を確認してみてくださいね!
舌に関して気になることがあれば、お気軽にご相談ください!

歯科医師 三浦貴澄
歯科医師 岸結城

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WDAI BASICCOURSEへ参加してまいりました

待ちに待った春到来ですね。皆様いかがお過ごしですか。

先日、ストローマン・ジャパン協賛の WDAI BASICCOURSE< へ参加してまいりました。

WDAI は Women   Dental   Academy   for Implantology の略式名で、インプラント治療を主軸とした包括的臨床を志す全ての女性歯科臨床家(歯科医師、歯科衛生士および歯科技工士、その他すべての歯科関係者)の研修、活躍支援することを目的とした学術団体です。

設立者には日本歯科大学でご活躍されている柳井智恵先生はじめ、東京医科歯科大学の立川敬子先生、ご開業をされている田中道子先生、渥美美穂子先生など多くの先生や歯科衛生士の方がいらっしゃいます。
今回のコースでは幸運なことに上記の先生方から直々に講義・実習の指導を受けることができました。
中でも最も印象深く、皆様のお役にも立てるような講義内容についてお伝えしたいと思います。

<欠損歯列の診査・診断と治療計画>

田中先生はインプラント治療に長く携わってこられた先生で、膨大な臨床経験をお持ちです。
ご自身でも私の人生の半分はインプラントとおっしゃっていたほど、インプラント治療に大変情熱的でいらっしゃいます。
そんな先生ご自身が経験された多様な症例をお話しいただきました。

その中でも、皆様にもお伝えしたいこととして

「歯の欠損数があるラインをこえると進行性病変となり咬合崩壊を招く。
咬合支持域を失った欠損歯列に戦略的にインプラントを配置することによって確実な咬合支持を獲得できる。」

ということが挙げられます。

つまり、インプラント治療は失った機能を回復させるだけでなく、他の残った歯を守る防波堤の役割も担っているということです。
例えば、奥歯がすべてなくなってしまって前歯だけで噛んでいたり、奥歯があっても上や下の顎に相手となる歯がなく、すれ違いの咬み合せになってしまっている場合は、そのままの状態にしておくと残っている歯が一気に抜けてしまう可能性が高いのです。

上下の歯に加わる最大の力は成人男性で前歯で 15 キログラム、犬歯で 25 キログラム、小臼歯で 40 ~ 50 キログラム、大臼歯で 60 ~ 70 キログラム程度と言われますが、個人差はあるものの様々な歯種おおよそ計 28 本で支えていたこれらの咬合力を、歯を失った残りの歯で支えていかなければならなくなった時、残りの歯に過度な負担がかかるのは容易に想像がつきますね。

少し専門的になりますが、インプラントの埋入計画を立てる時の一助となる残存歯の診査方法に Eichner の分類、宮地の分類というものがあります。

Eichner の分類とは臼歯部での咬合支持域を左右それぞれ小臼歯群、大臼歯群の4つのグループに分け、その支持域内で対合関係があるグループを A 、4つの支持域全てには対合関係がないグループを B 、対合関係のまったくないグループを C とします。

さらに、臨床的に重要になってくる B グループの中で、 3 つの支持域に対合関係があるものを B1 、 2 つの支持域に対合関係があるものを B2 、 3 つの支持域に対合関係があるものを B3 、支持域外(前歯部)に対合関係があるものを B4 とします。

宮地の分類は咬合支持数と歯数の 2 つの指標により無歯顎までのすべての欠損歯列を 4 つのエリアで表現します。
この 4 つのエリアは、欠損歯列の難症例の範囲を客観的に確認でき、また難症例までの距離を大まかに捉えることができます。
先ほどのあるラインとは、 Eichner の分類でいう B3 や B4 を、宮地の分類ではハイリスクエリア咬合支持数 6 ー 5 を指します。
このラインをボーダーラインとし、さらなる咬合崩壊を招く前にインプラントによって新たに咬合支持を確立することが、咀嚼機能の維持安定につながるため、治療計画を立てる上で大変重要になってきます。
まさに田中先生が「戦略的に」とおっしゃっていた部分だと思います。
私も大変重要なポイントをご教示いただき、日々の臨床での考え方の整理ができました。

最後になりますが、田中先生が私達に伝えてくださった言葉があります。

「薫習 ( くんじゅう ) 」

物に香が移り沁むように、あるものが習慣的に働きかけることにより、ほかのものに影響、作用を植え付けること
インプラント治療にかかわらず、歯科医師として臨床に関わること全てを自身に沁み込むように日々学び続けるという理念が深く心に響きました。

これからも皆様のお力になれるように全力をつくしてまいります。

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死亡リスクを高める「口の衰え」を防ぐには!

皆様こんにちは。先日は東京に大雪が降り、交通機関が大きく乱れましたね。
東京都心 部は非常に雪に弱いなぁとつくづく実感いたしました。

その数日後に、患者様がお話ししていましたが、『最近は同じマンションの住民が自分も含め、みんな70歳を超えてしまっていて、誰も雪かきなどをしに降りてこなくなってしまった。結局、自分一人で雪かきをした。』と おっしゃっていました。
この方の様に、元気に年を取るという事がいかに重要であるかを考えさせられました。

先日老化予防について、東京大学高齢社会総合研究機構により興味深い研究結果が発 表されました。
「口の衰えが死亡のリスクを高める」という事が明らかになったそうです。

調査はまず、介護を必要としない状態の65歳以上、約2000人に以下の6項目のうち、いくつあてはまるかを調べたそうです。

1.残っている歯が20本未満
2.かむ力が弱い
3.舌の力が弱い
4.舌を巧みに動かせない
5.硬い食品が食べづらい
6.むせやすい

このうち3つ以上あてはまる人は口の衰えを感じているグループになります。
約4年間追跡調査をした結果、死亡率を比較したところ、口の衰えを感じていないグルー プを1とすると、口の衰えを感じているグループは、2.09倍、死亡リスクが高いことが分かったそうです。

また、介護が必要になった割合では、口の衰えを感じているグループは衰えを感じていないグループに比べて、2.35倍リスクが高いという結果だったそうです。

調査をした東京大学の飯島教授によりますと、「口が衰えてくると、例えば硬い物を避けるようになってくる。そのため咀嚼の筋肉が鍛えられなくなり、さらに噛めなくなってくる。
食事にも偏りが生じて全身の筋肉も少なくなり、さらに全体の身体機能の低下につながる。」ということでした。

以前、ご紹介した「卑弥呼の歯がい―ぜ。」の通り、良い歯でよく噛むことが健康を維持するために非常に重要なのですね。

また、飯島教授によりますと、特に口の働きが衰えている人は、噛みにくいという理由で、肉類などのかみ応えのある食品を避けている人が多い傾向にあったということです。

お肉を食べることによって、タンパク質を取れるだけでなく、しっかりと噛む必要から咀嚼能力も維持されるので、出来ればお年寄りの方々も積極的にお肉は食べていただいた方が良いとご提案されていました。

最近は、肉のかみ応えを嫌うだけでなく、太ることを気にしてお肉を食べる事を避けているお年寄りの方が増えているそうです。

65歳以上の高齢者1048人の体格と生存率の関係を8年間追跡調査した結果も報告されています。

意外なことに、太い人に比べて細い人の生存率の方が低くなっていることが分かりました。
普通か太っている人の方が長生きしていることが分かりました。
このことから見ても、太ることを気にしてむやみに肉を避けるのではなく、なんでもバランスよく食べることが重要なようです。

また、ただ食べるのでは無く、楽しんでいろいろなものを好き嫌いせずに食べる事。
また 家族や友人とのおしゃべりも大切だそうです。つまり口をよく動かして、少しでも口の衰えを防ぐことが健康の秘訣であるとのことでした。

国際連合によりますと、65歳以上の人は高齢者と定義付けられております。
しかしながら、一言で65歳以上と言っても、元気に活動している方もいれば、身体の不調を抱え、家にこもったり病院や施設で介護を必要とされている方もいらっしゃいます。

元気に活動している高齢者と介護を必要としている高齢者では生活の張りも人生の楽しみ方も違ってくると思います。
当然、自分もあと何十年かしたら65歳を超えて高齢者になるわけです。
願わくば高齢者になった時に、自分のことは自分でできるように健康でいたいので、出来る限りの健康対策は今からしていきたいと思います。

平成29年(2017)年に国立社会保障.人口問題研究所が公表した将来推計人口の推計によりますと、2053年には日本の総人口は9924万人と約2800万人減少するそうです。
しかし、総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%で3人に1人になるそうです。

高齢者同士が、助け合い楽しく暮らせる社会を作っていきたいと思います。
そのためにも、お口の健康は是非維持していきたいものです。

歯科医師 大庭美和子

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OAM大口式インプラント法ベーシックコースに参加してまいりました

皆様こんにちはいかがお過ごしでしょうか。
秋の行楽シーズンも終わり、町中が色とりどりのイルミネーションで飾られるクリスマスシーズンになってまいりました。暖かくして、夜の散歩に行きたくなる季節ですね。

私は、今年の7月に(株)エイペックスメディカ主催の大口式インプラントシステムの女性 限定のセミナーに参加させていただきました。

当初、女性歯科医師に向いている大口式と お聞きして、勝手に体力的に労力を要さない術式だと思い込んで参加してしまったのですが、その講習会を受けさせていただいた結果、全く違った意味で女性に向いているという事を学びました。
百聞は一見に如かずです。

講師の山口葉子先生は現在、昭和大学歯学部インプラント歯科学講座で講師をされていて、 歯科大病院での臨床、学生への指導、並びに私のような一般歯科医師へのご指導も多忙な中、時間を割いて下さってます。
大変、頼りになる先生でございます。

インプラントの埋入窩を形成する方法としては、世界中でもドリリングにより骨を切削していく方法が一般的です。
インプラントシステム発祥の地は欧米であり、このドリリングによる方法は大きく頑強な骨格を有するアングロサクソンやゲルマンには適した方法と言えるでしょう。
しかしながら、我々モンゴロイドは前者よりも脆弱な骨格を有しており、このドリリング方式では対応できない症例が多々あります。

さらに、欧米と日本を比較すると抜歯に至るまでの期間にも差があると思われます。欧米では割と早期に抜歯の決断をする傾向がありますが、日本では民族性の違いからも歯周病や根管治療をできるだけ試みて、出来るだけ歯牙を保存しようとする傾向があります。
それ故、最終的に抜歯になってしまった場合、残された周囲の骨はより脆弱になっている場合が多いようです。

理想を言いますと、インプラント物を埋入するには、顎骨に十分な骨量があり、しかも骨質が密でなければなりません。
しかしながらこのような条件を満たす歯槽骨が少なくなってきているのが現状です。

そこで考え出されたのが、ドリルを使用せずに骨をできるだけ削らない方法でインプラント埋入窩を作成していく方法です。
このインプラントシステムが東洋人に適した術式であるとお考えになり、より安全で低侵襲にこだわった埋入テクニックを開発されたのが岐阜県の大口弘先生です。

OAM (大口式) インプラントシステム

大口先生は以前より、脆弱、または狭窄した骨への対応法としてドリリングをせずに、オステオトーム、コンデンサー等によって海綿骨をコンデンスしながら埋入窩を形成していく方法を実践されていたそうです。
しかし、一般的なオステオトームなどの器具は挿入時の抵抗が大きくマレッティングの必要があり、骨頂部の裂開を引き起こすという問題がありました。

そこで独自に開発されたのが、0.2mmごとにサイズアップさせたオーギュメーターです。
前歯部用、臼歯部用各16本から構成されます。(最小直径が0.5mm最大直径は3.6mm。)

基本術式

OAMインプラントシステムのプロトコルは、起始点の形成 (Marking)、リーミング (Reaming)、そしてエクスパンディング (Expanding) による床形成という「M-R-E シン プルシステム」が基本となり、インプラントの埋入手術が実行されます。

今回のベーシックコースでは豚骨を使用して実習を行いました。

【Marking 皮質骨の穿孔】

多くのインプラントシステムのプロトコルではイニシャルドリルが直径2.0mm程度にな るのに対し、この方法は骨頂部に0.7mmのマイクロイニシャルバーを用いてピンホール を設けます。

【Reaming リーミング】

市販のリーマーもしくはKファイルを使用して骨内の状況を把握する。

【Expanding 骨幅拡大】

オーギュメーターを使用して一段階ごとに穴を拡大していきます。

ドリリングの場合、骨頂部が削除され垂直的骨量が低くなるのに対し、オーギュメーターを使用する方法では骨頂部を拡げることにより、骨頂部が削除されないため垂直的骨量の維持、もしくは増加が期待できるという驚きの副産物もあるそうです。

また専用のツールはリーマー、ファイルのように指先で保持して反転運動させて使用するため、日ごろの慣れた感覚でインプラントオペを行っていけるという安心感があります。

リーマー、オーギュメーターには皮質骨を穿孔する能力が無いため、解剖学的に危険な領域をPerforationする可能性が少ないというのも安心して行える術式と言えます。

この様な指先の繊細な感覚を使いながら埋入窩を作成していく術式が女性に向いていると考えられる所以でしょうか。

まずはこの基本的術式を山口先生のご指導に従い一通り練習させていただきました。
スッテプごとに丁寧にオーギュメーターを使用して骨を拡大していきます。

その作業は上顎などの骨質の柔らかい部分には無理なく進めていくことができるそうですが、下顎の骨などで硬い骨部分にはドリルを併用して削合するハイブリッド法を教えていただきました。
実習では豚骨の軟らかい部分と硬い部分の両方で練習させていただきました。
骨の硬さをタイプ別に分類して下さったのがありがたかったです。

OAMインプラントシステムは骨幅の違いにより術式を分類します。
埋入部位の歯槽骨板が脆弱骨で幅広の場合と狭窄骨の場合と2つに分けて考えることが重要だそうです。

狭窄骨の場合は拡大し、それ以外の場合はコンデンス、海綿骨移動術を試みます。
これら術式の最大の目的は、既存骨を出来るだけ削らずに埋入窩を作成することです。

狭窄骨拡大をする事および海綿骨移動により、GBRの回避、または大掛かりなGBRを軽微にすることができます。
また、コンデンスにより初期固定獲得が可能となります。

OAMインプラントシステムの最大の特徴は、外科的侵襲を最大限に抑えて術後の腫脹や疼痛を極力抑える事ができ、何よりも安全な方法であるということです。
また縦切削をしないため4壁性のインプラント床となり血餅の保持が容易で初期固定も良好で血液供給も豊富であるため、予知性の高いインプラント埋入術となるそうです。

確かに私のような女性の歯科医師でも、この安全な方法でならインプラントオペをしてみてもいいかな?という気になりました。
もちろん、山口先生にご指導いただいて分かったことは、大多数の症例はまずドリリング法で行っているそうです。

まずは一般的な症例はドリリングで初めてみて下さいとご指導されました。
実際に、オーギュメーターを使用して骨を拡大していきましたが、1つ1つのステップが多いので、途中で疲れました。
山口先生も硬い骨への対処法として、ハイブリッド法を薦めて下さいました。
無理なく挿入できる深度までオーギュメーターを挿入し骨頂部のみを拡大します。
その後骨頂部よりも細い径のドリルでインプラント長まで形成します。

機械と手動をうまく組み合わせる事によって時間も短縮され、術者と患者様、両者への負担が減り効率的にオペが進められるということでした。

硬い骨への対処法として言えることは、無理な力は使わずに術式を切り替えることだそうです。
ステップバック、ジグリング、ハイブリッド、ボーンスリッティング法が挙げられます。

さらに、様々なテクニックに改良を重ねた結果、前歯部抜歯窩即時埋入法、前歯部狭窄骨に対する大口式オメガスリッティング法、また上顎洞に近接した部位にフィクスチャーを埋入するソケットリフト法など難症例に対応すべく素晴らしい術式が実践されています。

インプラント治療の難しさ、また難しい症例を何とか成功させていこうとする講師の先生方の努力と熱意が伝わる非常に有意義なインプラント講習会でした。

患者様にとっても、非常に安全な方法だと思いました。
今回この講習会に参加できて本当に満足でした。

歯科医師  大庭美和子

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12月8日アクロスプラザ浦安東野2Fにオープンします

当院は、小さなお子様からご年配の方までの様々なお口のお悩みをお持ち
の方に通っていただける歯科医院を目指しています。
患者様のお話に耳を
傾け、納得して頂いた上での治療を心掛けてまいります。
最新の設備を導入
し通っていただきやすい環境を整え、わかりやすく丁寧な説明をしながら、
患者様とのコミュニケーションを大事にした治療を行なっていきたいと思い
ます。
現在まで培ってきた歯科医療の臨床経験を活かし,長年お世話になっ
ている浦安の地域医療に貢献していきたいと考えこの地で開院させていた
だくことと致しました。
皆さまのお口の健康を保つために更なる研鑽を積み
ながら最適な治療をご提供してまいりたいと思います。
些細な疑問やお悩み
などもお気軽にご相談ください。
どうぞよしくお願いいたします。

>>チラシの詳細をみる

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インプラント治療におけるサージカルステントの有効性

こんにちは。
皆さんはインプラント治療で用いられるサージカルステントをご存知ですか?
今回は、近年インプラント治療のデジタル化により飛躍的に進歩を遂げているサージカルステントについて注目していきたいと思います。

<サージカルステントとは?>

術前に撮影したCT画像で計画したシミュレーション通りにインプラントを正確に埋入するためのガイドプレートです。
インプラント埋入の術前計画ではCTデータにより顎骨の密度や量、血管・神経の位置を確認してコンピュータでインプラント体のサイズや埋入位置、方向を決定します。

サージカルステントが導入される以前は、実際の埋入手術は術野を確保するために歯肉を切開して顎骨の形態を目視しながら進めていくという方法でしたが、術者の技量に依る部分もあり、事前に用意した埋入計画が正確に反映されないことや患者さんへの侵襲が大きいといった問題点がありました。
しかし、このサージカルステントを使用することにより、術前シミュレーションで確実に安全と診断された部分に正確な角度、深度でドリルを誘導し、埋入窩を形成することができます。

また、条件が揃えばフラップレス手術といって、ピンポイントで歯肉の除去を行った顎骨にインプラントを埋入することもでき、さらに、術前に補綴物を設計・製作することで即時に口腔の機能を回復することが可能になりました。

<サージカルステントの作製>

診査・診断の上、患者さんの顎の模型をとり、その模型上でマウスピースを作製します。次にこのマウスピースを口腔内にセットしてCT撮影を行い、CTデータをコンピューターに取り込み、インプラント専用のソフトウェアで3D画像化します。この3D画像をもとに埋入計画を立て、3Dプリンターでサージカルステントを作製します。
材料として剛性の高い樹脂を用いたり、十分な厚みを確保するなど破折やたわみに対する配慮も必要になってきます。

<サージカルステントのメリット>

以下にサージカルステントを用いた場合のメリットを挙げてみたいと思います

1. 従来と比較してより確実な埋入ができる
2. 顎骨の形態を考慮しつつ、最終的な補綴物までもイメージして、インプラント治療を行える
3. 歯肉を切開する必要がないため、疼痛や腫張を軽減できる(症例による)
4. 手術時間を短縮できる

<サージカルステントのこれから>

現在、国内でサージカルステントを取り扱っている歯科医院はまだ少数ですが、安全にインプラント治療を受けていいただくために非常に有効なシステムです。
インプラント治療におけるあらゆるステップがデジタル化されつつある中で、サージカルステントの使用は必須となってくるでしょう。

歯科医師 廣田小百合

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あなたの歯周病はどんな細菌によって悪化しているのでしょう?

こんにちは。最近はすっかり冷えてきましたね、皆さん防寒対策を忘れずお過ごし下さい。

皆さんは、「国民病」である歯周病についてどれほど知っていますか?

国民病と呼ばれる所以は、歯周病になっている方が成人の8割を超えており、そして歯を失う原因の1位であるからです。
これだけ怖い病気であるにも関わらず、意外と歯周病について知らない方も多いのではないでしょうか。

歯周病とは、歯茎が炎症を起こす歯肉炎と、歯の周り組織が破壊されていく歯周炎の総称です。

・歯肉炎
歯周ポケットに歯垢(プラーク)が溜まった
状態が続くと発症します。歯茎から血が出た
り、歯茎が腫れたりします。
歯肉炎は歯垢が原因であるため、除去すれば
症状は次第に回復していきます。
治療をせず放置してしまうと、より重症度の
高い歯周炎に移行します。

・歯周炎
歯周ポケットに存在する細菌の感染症です。
歯茎に炎症が起きるだけでなく、歯を支え
る組織(骨や繊維)に炎症が起き、組織が
溶けていきます。

自然に治ることのない歯周病を放置してお
くと、悪化の一途をたどります。歯を支え
る骨が溶けていき、歯がグラグラしたり、
咬むと痛みが出たり、強い口臭が出たりします。

歯周病の治療とは?
歯周病治療といえば昔から「歯磨き指導」と「歯石除去」により歯の周りのお掃除が一般的な歯科医院でされている基本的な治療です。

ブラッシングによる歯周病の基本となる治
療を始めた後、専用の機械による歯石(細
菌の死骸の塊)の除去を行います。
歯石は
歯の表面に付着し、細菌の温床となってい
ます。歯ブラシによる除去が出来ないため、
機械で落としていきます。

そして、歯ブラシでは届かない歯周ポケッ
トの深いところをクリーニングし、細菌数
を減らして口腔内環境を改善します。

歯周病の治療には、患者様に日々の徹底した歯ブラシを行ってもらうのがとても重要になってきます。
クリーニングを歯科医院でしても、歯ブラシをしなければまたすぐに汚れがたまってしまうからです。

しかし、この基本的治療をしても、一生懸命歯磨きしても、なかなか歯肉の炎症が取れず、歯肉の腫れや出血・口臭で悩まれ、歯周病で歯を失う事があるのも事実です。
健康なお口の環境を取り戻すには、患者様の歯周病に関与している細菌を特定し、ひとりひとりにあった治療方法で歯周病の改善に努めることが重要です。
この考えに基づいて生まれたのが歯周内科治療です。

あなたの歯周病はどんな細菌によって悪化しているのでしょう?

研究により、歯周病はスピロヘータ
などの真正細菌や、真菌(カビ)や
原虫(歯肉アメーバ)などによる感
染症であることが確認出来ています。

歯周内科治療の概要・治療方法は?

歯周内科治療は、一般的な歯周病の治療に
内科的治療が加わった歯周病治療システム
です。
位相差顕微鏡でお口に生息する歯周病の原
因(細菌)を特定します。
歯周病は感染症ですから、原因を突き止め
ることができれば、より良い治療ができま
す。
歯周病がなかなか治らないとお困りの方は、
まずお口の検査から始めてみましょう。

 

歯周内科治療には顕微鏡を使います

歯周内科治療では位相差顕微鏡を用いて原因菌
を調べることから始めます。
お口の中には約1億~10億匹もの細菌が生息して
いると言われています。
その中で、スピロヘータなど病原性の高い細菌
や真菌(カビ)が増加すると歯肉の炎症が強く
なります。
歯周病の状態や原因菌の種類によって治療内容
も変わってきます。

歯周内科治療の方法には4つの大きなポイントがあります。
1. 顕微鏡での菌の確認
2. 細菌の除去薬剤の内服
3. カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き
4. 除菌後の歯石とり
歯周病菌のどの種類が多いのか。顕微鏡で確認し、薬を選択します。

歯周内科治療で使用する飲み薬は、内科ではごく普通に使われている一般的な薬です。
歯みがき剤も天然成分で作られているので安心して使用することができます。

代表的な内服薬-ジスロマック

1日に1回2錠を3日間服用します。
歯周病嫌気性細菌に対して強い抗菌
力を発揮する抗生物質で、細菌の蛋
白質の合成を阻害することで、その
増殖を抑えます。
薬物自体が備えている食細胞を利用
したドラック・デリバリー・システ
ムにより感染局所に集中して留まり、
長期的に強い抗菌力を発揮します。

歯周内科専用歯みがき剤-ペリオバスターN

真菌(カビ)の除去が目的の天然成分で構成
できた安全な歯みがき剤です。
ペリオバスターの主成分は食肉類の腐敗防止
剤として開発されたもので、人体に安全な天
然成分です。 アロエやヨモギ、ヒノキ、人参、
海藻といった漢方の成分でできており、副作用
の心配もありません。

歯周病により失ってしまった歯の周りの骨は、基本的に元に戻ることはありません。
歯周病が重症かする前に、しっかり鹿の定期健診を受けることが歯を守る一番の方法です。
定期検診をうけ、歯周病の予防に努めましょう。

歯科医師 後藤祥太

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糖尿病の予防・改善には
歯周病治療が効果的です

先日ある患者さんが久しぶりにお越しになり、「自分は糖尿病なのだけれども、かかりつけの内科の先生から、歯周病の治療をきちんとしないと糖尿病が悪くなるから歯科にもちゃんと通ってくださいと言われて来たんだよ。」とおっしゃいました。

受診をすすめてくださった内科医の先生も、きちんと来院された患者さんも、歯周病と糖尿病が深い関連があるという最新の研究結果を受けとめ即行動に移され、とても素晴らしいと感じました。

といいますのも、先月9月22日の朝日新聞の1面の記事によりますと、厚生労働省の国民健康・栄養調査において、国内の高齢化が進んだことにより糖尿病予備軍は減少したものの、糖尿病が強く疑われる「有病者」が推計で1千万人に増加しており、そのうちの約23%は治療を受けていないらしいのです。

糖尿病とは、慢性的に血糖値が高くなる病気で、初期には症状がほとんどありませんが、血糖値が高い状態が続くと痛みやしびれ、感覚が鈍くなる、感染が起きやすくなるなどの症状が出始め、網膜症による視力低下、腎不全や尿毒症、脳卒中、心筋梗塞などと多岐にわたる合併症により命を脅かす疾患です。

医師の指導のもと、食事療法、運動療法、薬物療法など適切な治療を行い、血糖の状態を表す指標である「ヘモグロビンA1c」の値を低くコントロールする必要があります。

さて、近年の研究で、歯周病は糖尿病と相互に悪い影響を及ぼしあい、歯周病があると糖尿病の血糖コントロールが難しくなることがわかっています。
なぜ糖尿病と歯周病が関連しているのでしょうか。

歯周病は、日本人のほとんどが罹患しているといわれている感染症で、歯の表面や歯と歯肉の間で増えた歯周病菌が増殖し、歯肉に炎症を起こし、歯を支えている骨を溶かし、ついには歯が抜け落ちていく病気です。
歯周ポケットにいる細菌は血管内に容易に入りこみ、全身に回ります。
細菌の細胞壁に含まれる内毒素(エンドトキシン)が排出され、血液中の糖分の取り込みを抑えるTNF-αの産生を亢進するため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔します。
これが糖尿病に悪影響を及ぼす理由です。

また反対に、糖尿病の方は健康な方の約2倍も歯周病が悪化しやすいことがわかっています。
高血糖で多尿になり口渇がおき口腔内で細菌が繁殖しやすい、菌に対する抵抗力が弱く感染しやすいためと考えられています。

歯周病治療は、歯垢や歯石を徹底的に除去します。
ご自身での毎日のブラッシングが重要なことはいうまでもありませんが、歯周ポケットの深いところや硬くなってしまった歯石は自分では取り除けませんので、歯科治療と患者さんの毎日の口腔ケアの「両方」が重要です。

歯周病は自然治癒することがありませんし、ある程度進行すると「歯肉や顎骨が元通り完全に治る」ということもありません。
良好な状態を維持するということが治療の目標になります。
ですので、定期的なメインテナンスが不可欠です。
一生うまくつきあっていかなければならない慢性疾患です。
ぜひ、気軽に相談できるかかりつけの歯科医院をみつけてください。

歯科医師 富永克子

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歯並びで顔は大きく変わります

1.顔の印象は口元で決まる!

みなさんは、顔の印象はどこで決まると思いますか?
昔から「目は口程に物を言う」というから、目だと思いますか?
実は、口元がかなり大きな役割を担っているのです。
マスクをして目元のメイクをして、他の人の真似をする芸能人がいると思いますが、あれは目だからできることなのです。他の言い方をしてしまえば、口元を隠しているから似せることができるのです(そう簡単に真似はできませんが)。
ぜひ、いろいろの人の口元を隠して観察してみてください。

2.咬み合わせが悪い、歯並びが悪い原因

歯並びが悪くなる原因は遺伝と言われてきましたが、はたして本当なのでしょうか?

この画像は、Dr.John Mewによるもので、とても有名な画像です。
右側は姉、左側は妹だそうです。この2人の違いは何だったと思いますか?
姉は口呼吸で、妹は鼻呼吸で育ったそうです。
つまり、歯並びの原因となっているものは、遺伝の要素よりも習癖などによる環境の要素の方が大きかったのです。

この画像も有名なものです。
成長の途中で、ネズミを飼ったことによって鼻閉となり、口呼吸になってしまったそうです。

口呼吸だけではありません。低位舌、異常嚥下などの習癖も、顎の発育に悪影響を及ぼし、歯並びが悪くなる原因となります。

3.歯を動かす力

歯牙を移動させる力は1.7gであると言われています。だいたいペットボトルのキャップくらいの重さの力で歯は動いてしまうのです。

では、舌の力はどれくらいでしょう?
A. 50g
B. 250g
C. 500g
ぜひ考えてみてください。
正解は、C. 500gでした。舌には、ちょうど500mlのペットボトルの重さの力と同じくらいの力があるのです。

唇(くちびる)周辺の筋肉には300gの力があると言われています。

では、無意識嚥下(無意識にごっくんと飲み込むこと)は1日に何回しているでしょうか?
A. 200回
B. 1200回
C. 2000回
正解は、C. 2000回でした。

つまり、1日に2000回も正しい嚥下をしているか、正しくない嚥下をしているかで、歯の位置は大きく変わってきてしまうのです。

4.矯正治療をしても後戻りしてしまう?

子供の頃から早いうちに歯並び・かみ合わせが悪くなる「原因」、具体的には、「呼吸」「舌」「嚥下」「口唇」の機能が正常になるように治療を進めていくと、顎が正常に発育して、歯並びもよくなります。
では、大人になってからではもう遅いでしょうか?いわゆる歯にブラケットをつけて矯正をしても後戻りするからとためらっている人もいるのではないでしょうか?
ここまで読んでくださったみなさんは、もう想像ついていると思います。そう、歯はとても小さな力で動いてしまうので、口唇や舌に悪習癖があると、後戻りをしてしまうのです。
矯正治療中に、悪習癖についてきちんと知り、治していけば、後戻りの心配は減ると思います。

5.矯正治療しか方法はないの?

咬み合わせがズレてしまうと、顎関節症、頭痛、肩こり、めまいなどの原因になることがあります。場合によっては、歯根破折や補綴物(被せものや入れ歯)の破損の原因になることもあります。
咬み合わせが低くなってくると、本来の咬み合わせの力より、余分に歯に力が加わってしまいます。若いころよりもだんだん歯が動いていることはありませんか?
下顎が後退していると、気道がせまくなり呼吸しにくい状態になっていて、よく眠れないこともあります。

矯正治療の選択ができなかったとしても、スプリント(マウスピース)治療や補綴(被せものや入れ歯)治療で、本来あるべき位置で咬み合わせを作ることによって、これまでは不定愁訴と思われてきたもの(頭痛、肩こり、めまいなど)が改善することがあります。

あなたの咬み合わせは大丈夫ですか?

もし、何か咬み合わせでお悩みのことがあれば、歯科医師にご相談ください。

歯科医師  梶永

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むし歯を薬で治せるようになる?

暑かったり、雨が続いたり…おかしな今年の夏でしたが、少しずつ秋の訪れを感じるようになりました。読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、皆さんはどんな秋を過ごされるのでしょうか。

今回は皆さんにとっても私たち歯科医師にとっても素敵な未来のお話です。
歯髄(しずい:よく歯の『神経』と言われている部分)に届いてしまった大きなむし歯でも現在のようにたくさん削って歯髄をとらなくてもよくなるかもしれないのです。

むし歯は進行すると歯髄に届き、炎症や痛みを生じます。
現在ではこうしたむし歯による感染が歯髄にまで達してしまうと歯をたくさん削り、歯髄を除去(抜髄処置:神経を抜く治療)行っています。
その結果歯が弱くなってしまい、将来、歯を喪失するリスクが高くなります。
生えている木と枯れ木を想像していただくとよいと思います。

今年の7月、新潟大学医歯学総合病院の大倉直人助教らのグループにより、歯髄の持つ高い自己治癒力を利用した薬剤による治療法の確立に向けた研究がネイチャー・パブリッシング・グループの英国科学誌「Scientific Reports」に世界で初めて発表されました。

Effects of pulpotomy using mineral trioxide aggregate on prostaglandin transporter and receptors in rat molars Scientific Reports 7, Article number: 6870 (2017)

今回の研究では、プロスタグランジンという物質の発現の様子を観察しています。
プロスタグランジンは、第3のホルモンとも言われ、人間の体内の様々な生体反応(呼吸、炎症、化膿など生きている人間に起こる反応)など、体のほとんど全ての機能と関係しているといってもいいほどの物質です。その中でも、今回の研究のプロスタグランジンE2は胃粘膜の保護、痛みの増強、発熱に関わっていると言われています。
大倉らのグループが、ラットの歯に開けた穴に特殊な薬剤を置いたところ、プロスタグランジンE2を輸送するトランスポーター(PGT)と呼ばれるタンパク質と結合する受容体(EP2)が歯の象牙質を作る細胞(象牙芽細胞)や血管に認められました。創傷を受けた際に細菌が歯髄へ侵入するのを防ぐための修復象牙質が形成されますが(ヒトの身体ってよくできてますね)、その形成機構にプロスタグランジンE2が関わっていることを示しています。
また、歯髄組織の中の神経線維にも認められ、神経を保護する役割にも関わっていると考えられます。

今回の研究がラットの歯からヒトの歯へと進めば、薬を使った歯髄処置によって歯を丈夫なままで残すことができるようになり、しっかり噛むこと、おいしく食事を召し上がっていただくことへとつながります。
患者さんにとって喜ばしいことであるのはもちろんですが、歯科医師である私たちも助かります。抜髄処置って大変ですから・・・。

歯科医師 武田加奈

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